心に残る面談・・・
Aさんは63歳の男性。定年を過ぎ、雇用継続で働いています。笑顔でいきいきと仕事の事を語ってくれます。なぜ、こんなにも長期にわたって仕事のモチベーションを維持できるんだろう・・・???
不思議に思い、聞いてみたのです。
「Aさんが仕事の事を語っている時、とてもいきいきしているのが伝わってくるんです。何がそうさせているのでしょう?教えてください」
Aさんは、ん?と天井を見て腕組をして考えていました。そして、
「先代の社長は厳しい方だったよ。時には怒られてね、その時僕は30代の始め頃で・・・。
何とか良い仕事をしようと思って毎日必死だった。今から30年以上も前のことだよ。
ある時、社長に呼ばれて内心また失敗でもしたかと、ドキドキしたよ。そしたら社長が
『君は、わが社の関所だよ』
と言ったんだ。従業員を前にして『これからは私(社長)ではなく、AさんがOKを出したら機械を動かすように』って。
機械を動かすまでに、商品に細かな入念なチェックが欠かせない。もし、間違いに気づけなかったら大損害になる。なにしろ高速機械なのだ。
「関所」と言う言葉で、自分に任された仕事。認めてもらえたことが、本当に嬉しくてね。
何かあると思い出すんだ。社長の一言が、今の自分を支えているんだと思うよ」
話し終わったAさんは、更に輝いていました。社長はAさんの素晴らしいところを、たった一言で伝え、その一言が今でもAさんを輝かせていたのでした。今は、自分の技術を後進に一生懸命伝えていると言っていました。
こんな話が聞けた日は、私も最高の気分。そんな話の聞ける会社で仕事ができることも幸せ。
ずっと心に残る言葉・・・私にもあった!
いつかそのことを書こうと思います。